2010年5月1日土曜日

カマンベールは愛の食べ物

テレビを見ていて気がついたのだけど、この国では「食欲」と「性欲」の間にあまり大差はないらしい。

この国で「チーズ」のコマーシャルを見る度に、不思議な違和感に襲われる。

その例をあげると…。

CMその1。
浜辺で美しい女性が寝そべっている。そこにカマンベールチーズをもった色男風の男が近づいてきて、
「いっしょに一口、どう?」みたいなジェスチャー。二人はうぅ〜ん、とおいしそうにカマンベールを食べる。

CMその2。
若い女性が一人でソファーに座ってカマンベールをおいしそうに食べている。そこにボーイフレンドが帰宅。
「あ、見つかっちゃった」という表情をしている女性に、男性がニヤニヤしながら近づいてきて、
「一人で楽しむなんてずるい」とでも言いたそうな顔をする。
そして二人でいちゃいちゃしながらカマンベールをほおばる。

CMその3。
若い女性が細い布で目隠しされている。すると男性が「ほれほれ、ここだよ」みたいな感じで、女性の口にカマンベールを入れようとする。
女性は「いやーん、何かしら〜」といったラブラブな雰囲気。

どうしてこういうコマーシャルになってしまうのかよくわからないのだけど、この国のフロマージュを食すると「うぅ〜ん、おいしい〜」と思ってしまうのはわかる。フランスのチーズの味(とくにカマンベール系)は、日々微妙に変わり、まるで生きている食べ物。コーヒーを味わうように「コク」みたいなのがあって、日本のチーズでは感じられない質がある。でも、このチーズの「コク」っていうのはいわゆる「脂肪」ってことらしい。

主人と日本に住んでいるとき、主人はどんなに安くても日本産のカマンベールに手をださなかった。
「チーズを食べた気がしない」と頑として口をつけなかった。

「まあね、たとえ本場の味とはいかなくても、カマンベールをちゃんと自分たちの手で作って、世の中に売りに出してる、この日本人の努力はすごいよね〜?」と夫をなだめていた私だけど、日本が酪農をアメリカ人からじゃなくて、フランス人から学んでいればよかったかもなぁ〜なんて想像してしまう。

そうしたら、今頃日本もカマンベールやバターが超おいしい国になっていかも。

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