2010年5月8日土曜日

この国に来た意味

あるときネットの掲示板で日本人の海外在住者が海外生活をうまくのりきるこつを書いている人がいた。「たまたまその国に行くことになり、ちょっとだけいるつもりが案外居心地がいいのでそのままずっと住むことになった、という場合の人のほうがうまくいく。」ということで、妙に納得した。

私は昔から外国に憧れがあって、20代の頃にイギリスに留学した。でもそこでは、ドーバー海峡の向こう側の国にさらに憧れが強まった。イギリスはもう留学生活だけで十分だったので日本に帰国したけど、フランスへの憧れはまだつのるばかり。とうとうその夢が30代の後半で実現して、こっちに来る前は有頂天だった。

でも、やっぱり『憧れ』や『夢』は必ず『現実』で目覚めるもの。フランスに来たら、なぜか日本の生活が懐かしくなり、恋しくなり、日本ってやっぱりいい国だよなぁって思い始める。しかも、あんなに嫌だったイギリスも、田園風景がきれいだったなぁと、恋しくなったりする。(日本はいい国だ、とは夫と気軽に話せるけど、イギリスがいいとはあんまり発言しないようにしている)

フランスに来たことは別に後悔していないのだけど、日本の生活の便利さや、英語が通じるお気楽さを知ってしまっていると、ふと、とてつもない不安に教われるときがある。

でも、待てよ。
私って、要は子供のときからずーっと『隣の芝生』をよく見てしまう性格なんだなぁ、と気づく。

私がこの国に来た意味はもしかしたら、このあなたの性格にちゃんと気がついてね、っていう天からのメッセージなのかも。あなたはいつもどこに行っても、人のことばかり気にしてたでしょ、って。『隣の芝生』なんて気にしないで、今の自分の立っている場所をおもいっきり、精一杯楽しむことを学んでねって。

どんな『夢』や『憧れ』も、一度現実に目覚めてから、また新たに始まるような気がする。

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