2010年6月9日水曜日

共和国の大統領たち

また日本の首相が変わった。別に変わってもどうってことないというのがお決まりだけど、やっぱり海外に住んでいると、日本の首相の顔が変わる度に世界では日本の存在感が薄くなっていく感じがする。こっちに来て約半年が過ぎ、ニュースを見る限り、あらためて世界は中国を中心に回っているというか、振り回されているという実感がする。

それにしても日本人って、やっぱりナイーブというか繊細な民族なのかなと思う。権力にしがみつくことを潔しとしない、ぼこぼこに批判されてまで国のトップにしがみつくよりは、自分で去り際を決めたいという気持ちはわからないでもない。

でも、フランスの政界を顔ぶれを見ていると、ちょっとやそっとじゃ自分から降りる人なんていなさそうだなと思う。

サルコジ大統領がカルラ・ブルーニと電撃再婚したとき、その二人の結婚歴を見て唖然とした私。ちょうどそのころ、夫の祖父母と食事をする機会があったのだが、食卓ではその話でもりあがっていた。私がサルコジ大統領の再婚に驚いていることを知ったおばあちゃん(86歳、第二次大戦中はレジスタンスのメンバーだった)は、「あのね、昔ジスカール・デスタンが大統領だったとき、彼は任期中に飲酒運転で捕まったのよ。しかもその助手席には愛人が乗ってたのよ〜」とあっけらかんと言い放った。おばあちゃんは、それに比べたらサルコジなんてかわいいもんよ、とどこか誇らしげで、私はサルコジごときで目を丸くしていたらこの国ではやっていけないのかなぁと不安になった。

しかもこのジスカールデスタンという元大統領、昨年83歳という年齢で初の恋愛小説を出版した。『La Princess et le President』というタイトルで、イギリス皇太子妃とフランス大統領の恋愛物語。精力たくましいお年寄りの妄想もここまでくると、「よっぽどダイアナ妃にちょっかい出したかったんだね、おじいちゃんならきっとおとせたさ、だってフランス人だもんね〜」と、慰めの言葉をかけてあげたくなる。

ミッテラン元大統領の愛人問題が発覚したときに、記者からの質問に対して大統領は「et alors?(それがどうかした?)」と聞き返した話は有名だけど、この国の政治家たち(もしかしたら国民全体?)は、ちょっと自分が過ちを犯したからといって、すぐ謝罪などしそうになく、ましてや自分から権力の座を明け渡そうなんて気は毛頭ない。面の皮がとっても分厚そうな方たちばかりだ。

菅直人新総理も就任早々に田中眞紀子氏から「クリーンというが洗濯屋じゃない」とのお言葉を食らったようだけど、さすが田中角栄の娘、うまいこと言うな〜感心してしまった。日本の政治家ももうちょっとずる賢くてもいいと思う。でないと日本の存在感はますます薄くなってしまうから。

2 件のコメント:

  1. これだけ変わればそうでしょうね。たしか平成になって16人とかだったかな。もう名前すらいえないもの。もう男はいいわ。これからは女性が立ち上がらなければ。最近、人事にしてなくて、自分から何かしなくては、という気持ちになってるわ。

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  2. おおっ!!是非立ち上がっておくれ〜!あなたの行動力にみんなが期待していると思うよ。マジで。

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