2011年11月21日月曜日

私の好きなパリ♥ 13区ルネ・ゴシニ通り

学生の頃、ヨーロッパ文化を理解するには、聖書とギリシャ神話を理解していることが重要と言われ、阿刀田高の『旧約聖書を知っていますか』『ギリシャ神話を知っていますか』などを読んだ覚えがあるが、実際フランス人と結婚してみてわかったのは、普通のフランス人と会話するならルネ・ゴシニ作品は知っておかないとダメだということ。

ルネ・ゴシニ(René Goscinny 1926-1977)は、『アステリックス(Astérix)』, 『ルキ・リュク(Lucky Luke)』, 『プティ・ニコラ(Petit Nicola)』などの子供向けの漫画・小説のストーリーを手がけた作家。どれも英語を始め、他の言語にも訳され、欧米で知名度を誇る作品群だ。『プティ・ニコラ』は、簡単なフランス語で書かれているので、私でも原書で読んで楽しめた。ただ、夫が「この面白さがわかればフランス語はもう心配ないはず」と評する『アステリックス』に関して言えば、日本の漫画で育った私には全くダメ。絵柄がかわいらしくないし、登場人物の長ったらしい名前(それがフランス語の言葉の意味合いとかけてあってジョークとなっている)を見ただけで眠くなってしまう。

夫はルネ・ゴシニ作品の本を子供の頃から大切にとってあって、息子と将来一緒に読むんだと意気込んでいる。私は一度「古いから捨てよう!」と言ったことがあるのだが、「お前だって日本の実家に子供の頃買ってもらった『キャンディ・キャンディ』をまだとってあったじゃないか!」と言われシュンとしぼんでしまった。

このルネ・ゴシニにちなんで名付けられた通りが13区にある。

「ローマ人は狂ってる!」は『アステリックス』の中の名ゼリフらしい。
”Je veux être calife à la place du Calife!"
は『Iznogoud』より。

漫画のセリフがあちこちに…

『プティ・ニコラ』の登場人物の説明が壁に。この壁を抜けると小学校の校庭が見えて、
プティ・ニコラの世界が頭によみがえってくる!

夫はこうした吹き出しのセリフを全部知っていて、どの漫画からのセリフなのかを教えてくれた。漫画を知らない私でも、さすがに壁の『プティ・ニコラ』の後、学校見えたときには心が踊った。

しかもこの通り、子供関係の施設が密集しているのだ。学校、公園、保育園。それに小児科が入った総合クリニックもある。(ここの小児科の先生はアラブ系の女医さんで、一度お世話になったことがある。うちの子が予防接種で泣いたとき、飴をくれようとした…。まだ2歳なので甘いものはちょっと勘弁してほしかったのだけど…。ちなみに、ここのクリニックは夏のバカンス期間でも予約が取りやすかった。)

この通りがある地下鉄14番線Bibliothèque François-Mitterrand駅周辺は、鉄筋コンクリートのビルが立ち並び、殺伐としてあまりパリらしくない雰囲気なのだけど、このルネ・ゴシニ通りに来ると、大人も子供にかえったような気分を味わえるのだ。

さて、この通りにはエレキギター屋さんも一軒ある。コアなファン向けに特注されたギターしか置いていないような店なのだけど、ロック好きでギターを3本もコレクションしている夫は、この店先でもテンションがあがった様子。私はあまり興味がないのだけど、ショーウィンドーの奥をのぞくと…。なんと!

ドラえもんギターが!!(ちなみにここのギター屋はいつも閉まっているような気がする。)

と、言うことで暇な人は一度は訪れてみて下さい 。

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