2011年3月27日日曜日

焼け野原、瓦礫の山

津波が残した瓦礫の山の映像をテレビで見て、最初に思い浮かんだのは昔見たことがある野田秀樹の戯曲『走れメルス』のラストシーンだった。
http://kankyakuseki.iza-yoi.net/WEBREVIEW/reviews/Hashire-Merusu.html

はっきり言って舞台の内容はほとんど覚えていなかったのだけど、なぜかこの舞台のクライマックスで名優古田新太が「瓦礫の中から掘り起こせ!裸一 貫から立て直すんだ!」と言ったような内容を叫んでいる光景が強烈な印象として残っていて、それが津波の爪痕を見た時に私の耳によみがえってきた。

『走れメルス』を書いた野田秀樹さんは今何を思っているのだろうとネットで探してみたら、今も精力的にがんばっているようでうれしくなった。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103210146.html

しかも、今公演中の『南へ』という作品も、今の日本の姿をズバリと風刺しているような感じがして、おもしろそう。
http://www.nodamap.com/productions/toSouth/

野田さんが『走れメルス』を書いた頃は、きっとあの舞台に再現された瓦礫の山は第二次大戦で日本が敗戦を迎え、日本中どこもかしこも焼け野原と なった風景が元になっていたはず。そう、これまでは、日本人にとって戦後の焼け野原の風景が、今の日本を作り上げてきた原点だった。

でも、これからは東北地方の瓦礫の山が日本人の心的風景の原型になるだろう。焼け野原も瓦礫の山も、いつもそこが日本人の原点。そこから新しい世界が始まる。

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