今年の夏後半から、暫くブログが書けませんでした。
書く気力も湧いてきませんでした。
ほんと、書くことを生業としているプロの方々はすごいなーと思いました。
書くことで、自分の気持ちを整理したり、自分を客観的に見る事が出来る訳だけれども、私が書けなくなった理由は、やっぱり私自身に人からよく見られたいという「虚栄心」が埋蔵されていたからでしょう。埋蔵ぐらいだったら別に誰でもあるかなぁと思うのだけど、私の場合は、それが表面化してしまっていた、ということだったと思います。
「人によく見られたい」と思うから、自分の生活が「かっこ悪いな」と思うと、自分のフランスでの生活について何も語ることができなくなってしまいました。
そうなんです。日本では、フランス生活、パリ生活、というとかならずのしをつけたように枕詞のように出てくる言葉が「おしゃれ」という言葉。そういうステレオタイプなイメージが嫌で、このブログを始めたけれど、途中それに自分が負けていました。ブログに書く自分の生活は、「へえ、かっこいい生活しているんだ」と思われたい虚栄心に満ちていたと思います。
12月になってから、パリで日本人の女性とお友達になりました。
きっかけは、「Sur la route d'okinawa 北海道から沖縄まで」というフランスで放映された日本についてのドキュメンタリーを一緒に見て、お互い共感したことです。この作品には、日本についての偏見をやさしく溶かしてくれるエネルギーがありました。
その流れで、彼女がこんな事を言っていたのが印象に残っています。
「自分の中の偏見が一番・敵なんです。」
私にも、今いろんな偏見があります。フランス人に対する偏見、フランス社会に対する偏見、フランス国内の日本人社会に対する偏見etc...
でも、今日2010年大晦日、こうした偏見に閉じこもる自分ではなく、その向こう側にあるものを実際に自分で探検しにいく勇気を持とうと思いました。そして、別に「人からかっこいいって思われなくてもいいじゃん」と開き直りました。
自分の偏見の向こう側に行くこと、また自分を虚飾せず「裸」でいること。そういう行動をとることは、危険が待ち構えているかもしれないし、もしかしたら楽園かもしれない。どっちにしろ、ドキドキアドベンチャー!って感じですね。
除夜の鐘が無いフランスですが、日本人の私には、除夜の鐘の音を心に鳴り響かせるのは簡単なことです。その鐘の音とともに、2010年に私が培って来た様々な偏見と虚栄を手放します。
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