2010年11月6日土曜日

言葉の壁を超えるには

言葉の壁を超えるには、要は相手に何かを伝えようとする気持ちなんだ、と思った日。

美容院に行ったら、フランス国内で物議を醸し出した村上隆の『ベルサイユ宮殿作品展』のパンフレットを見せてくれた。そこに村上氏の才能に注目したアーティスト(名前は忘れた)が、初めて彼に出会ったときの逸話が載っていた。

1993年、横浜でそのアーティストの展示会があったとき、村上氏は英語もまともに話せず、ただ自分の作品だけを見せに来た。その作品がよかった ので、そのアーティストはアメリカに帰ってから村上氏に一緒に仕事をしようと英語でファックスを送った。村上氏は、その返事を漫画で描いて返信した。さすがアーティスト。

美容院の後、日本からヨーロッパにジュエリーを買い付けに来た方とお茶をした。 「イタリアで買い付けしたときなんんて、イタリア語まったくわからんから、『ディスカウント、プリーズ!』とひたすら叫んだだけだったよ!」と高笑い。

ああ、私って悲しい左脳人間なのかも。私はフランス語を話すとき、どうしても発音とか文法とか、いろいろと考えてしまうのだ。その奥にある気持ちは「間違えたらどうしよう。はずかしい。通じなかったらどうしよう。」という不安ばかり。

以前PMI(日本の保健所のようなところ)で、英語もダメ、アラビア語オンリーでがんばっているママさんとお会いしたことがあるけど、彼女も右脳派だったと思う。身振り手振りのボディランゲージが得意なママさんで、多分私とはお互いほとんど通じ合っていなかったと思うけど、不思議と彼女からうける 印象に悪い感じはなかった。彼女とコミュニュケーションをとっているフランス人職員も「彼女はフランス語話さないからね〜」と言いながらも、そのアラブママと楽しそうにボディランゲージで交流していた。

フランスで生きていくには、フランス語はもちろん必要不可欠だけど、大切なことを忘れていたなぁと反省した。